ROOTS JAPAN CUP FINAL 2019/ROOTS SAMURAI X CUP2019 イベントレポート

12月7日、神奈川県にある新横浜プリンスホテルにて高額賞金をかけたビックeMotorsports大会が行われた。

今回は、元レーシングドライバーの土屋圭市氏がスペシャルアンバサダーを務める「ROOTS」のメインシリーズ戦「ROOTS JAPAN CUP FINAL 2019」の決勝戦と トヨタ自動車の販売ディーラー「茨城トヨペット」「横浜トヨペット」「千葉トヨペット」「埼玉トヨペット」の共同主催で行われたeMotorsports大会「ROOTS SAMURAI X CUP 2019」の決勝戦が開かれた。

新横浜プリンスホテルの宴会場を使った会場には、オーストラリアのレーシングシミュレーターメーカー・NextLevelRacing社の「GT TRACK Simulator Cockpit」をベースにBRIDEのフルバケットシートが装着されているスペシャルモデルが8台ズラッと並んでいた。

最初に「ROTS SAMURAI X CUP 2019 決勝戦」が行われた。ROOTSと関東圏のトヨペットディーラーとのコラボレーションで10月末から5つの地区(茨城、埼玉、千葉、神奈川西、神奈川東)それぞれで予選タイムアタック、決勝レースを勝ち抜いた「子供の部」、「一般の部」各8名が新横浜に集結した。

レジェンドドライバーである土屋圭市を前に行うレースだけにより一層緊張感が高まった。

決勝戦は子供の部からスタート。予選は筑波サーキットを3周したベストタイムで決勝グリッド決定、決勝レースは鈴鹿サーキットを5周。用意されたマシンは、GR.3の「GRスープラレーシングコンセプト」のワンメイク。予選トップ通過は神奈川県代表のsakura選手。続くのは同代表のらんす選手。

鈴鹿サーキット5周の決勝レースの序盤はグリッド通りでsakura選手がトップ、らんす選手、千葉県代表のViper-Evolution選手がピタリと後ろにつけていた。今大会では、後方のマシンが前のマシンのすぐ後ろに着くことで空気抵抗を抑えてスピードアップを図るレーシングテクニック「スリップストリーム」の効果が「強」に設定されていることで後半のバックストレート、ホームストレートを中心にした抜きつ抜かれつの激しいバトルが毎周繰り広げられていた。

レース折返しになる3周目になるとトップのらんす選手は、バトルを起因とした細かなミスで5番手まで後退。代わりにらんす選手がトップに、以下茨城県代表「HaruGT-spec」選手、埼玉県代表「pentyan1」選手そして「Viper-Evolution」選手が続いた。
4周目の高速コーナー130R手前でViper-Evolution選手がトップに。2番手にHaruGT-spec選手、3番手にsakura選手が盛り返してきた。そしてファイナルラップはこの3台がスリップストリームを利用しセクション毎順位を入れ替えるテールトゥノーズ状態に。最終的にViper-Evolution選手が逃げ切り勝利をものにした。2位にはHaruGT-spec選手となった。

短いインターバルを経て一般の部の決勝に。

予選・決勝、マシンともに子供の部とほぼ同条件だが、唯一決勝レースの周回数が子供の部の倍の10周に設定されている。決勝レースではタイヤ消耗が「10倍」と設定されているのでピットインのタイミングが勝利を引き寄せる鍵となるのは間違いないだろう。 予選トップは茨城県代表の野島俊哉選手、2番手に埼玉代表のおーた選手、3番手に神奈川代表の冨林勇佑選手。

そして決勝レース。序盤は野島選手先頭に冨林選手がピタリと後方につき、少し間隔をおいておーた選手が続いた。

3周目のバックストレートでおーた選手がスリップストリームを利用し冨林選手をオーバーテイクし、トップの野島選手に接近。3番手に順位を落とした冨林選手も前の2台に食いつき、5周目でトップに浮上しルーティンピットを済ませた。トップ3台がピットインしている間に先頭に躍り出たのは千葉代表の2人、corgi選手とshines選手。2人は一周前にピットインを済ませているので逃げ切るだけである。

そうはさせじと冨林選手はペースアップしトップグループに接近するものの接触等の減速タイムペナルティを受けてしまう。FIA公式大会とは異なり、強制的な減速ポイントはなく、任意での減速によるペナルティ消化、あるいはゴール後のタイム加算となる。 冨林選手は巧みなドラテクで少しずつペナルティタイムを消費しながらトップを目指し、レースも終盤となる9周目のヘアピンでトップに浮上したがその直後のスプーンにて後方から迫ってきた同じ神奈川代表のミチタカ選手が冨林選手と接触してしまいコースアウト。すぐに復帰したものの最下位に転落してしまった。 最終ラップ、トップはおーた選手。すぐ後方にcorgi選手。ヘアピンからスプーンまででcorgi選手がトップに。おーた選手は間隔を開け、スリップストリームによる加速を利用し130R手前で抜き返しそのままトップチェッカーを果たした。

表彰式、子供の部で優勝したViper-Evolution選手には優勝トロフィーと土屋圭市氏からグローブと協賛企業の「ドローンレース SKY FIGHT」を展開する株式会社ドローンネットよりドローンが贈られた。

一般の部、優勝のおーた選手にはトロフィーと優勝賞金30万円、2位のcorgi選手には10万円、3位の冨林選手には5万円が贈られた。

その後は、いよいよメインイベントのROOTS JAPAN CUP FINAL 2019、その前に折角のイベントなのでスペシャルゲスト達によるエキシビションレースが開催された。

SUPER GT 2019シーズン、GT300クラス埼玉トヨペット Green Brave トヨタ・マークX MCで参戦した吉田広樹選手、GT500クラス LEXUS TEAM SARD LC500のドライバー中山雄一選手、そしてROOTSスペシャルアンバサダー土屋圭市氏、それぞれのチャレンジレースが行われた。どのレースも筑波サーキットとRスープラレーシングコンセプトの組み合わせによるワンメイクレース。

吉田選手はスタートダッシュに失敗したものの第1コーナーで見事なラインでトップに浮上したもののeRacer達の勢いに推されてしまった。

中山選手は、スタートの第1コーナーで勢い余ってコースアウトしてしまった。

そして注目の土屋圭市チャレンジレース。グリッドに並ぶのは一般の部ドライバー。イベントの回を追うごとにメキメキとスピードを増している土屋圭市のeMotorsportsでのドラテクに注目が集まった。

スタートダッシュを決め、第1コーナーをトップで立ち上がり続くヘアピンにアプローチをしたところでマシンがスライドしてしまいそのままスピン。

すぐにレース復帰しその後はスムーズなドライビングで周回を重ねるが大きな差が開いてしまった。ところが前方を走るドライバーは、何かしらの異変を感じ取ったのか相次いでピットイン。これはチャンスと前4台とのギャップを縮めようとしたものの残念ながら5位最下位で完走となってしまった。

そんなエキシビションレースが無事終わり、いよいよROOTS JAPAN CUP FINAL 2019が開幕した。決勝レース出場権利を持つのは午前中のROOTS SAMURAI X CUP2019一般の部の上位4名に加え、前年度チャンピオンの山中選手、今年の日光大会優勝の高橋選手、新潟大会優勝のホンダ選手そしてFINAL直前に埼玉県にあるカーショップ「Ambitous」で行われた予選に勝ち抜いた宮園選手となったが、山中選手、高橋選手の2名はスケジュールの都合で参加できず。かわりにAmbitous予選大会に出場した菅原選手、GSN選手が繰り上がり出場となった。

予選と決勝レースは鈴鹿サーキット。マシンは任意のGR.3マシンで予選と決勝で車種が変更できるルールとなった。ROOTS JAPAN CUP FINAL 2019に出場するドライバーは、FIAグランツーリスモチャンピオンシップに出場経験、国体出場経験を持つ凄腕ドライバーばかり。

予選トップ通過したのは、今年の「FIAグランツーリスモチャンピオンシップ ワールドファイナル」の国別対抗戦「ネイションズカップ」にて総合3位表彰台を得た宮園拓真選手。2番手にはROOTS SAMURAI X CUP 2019一般の部で3位表彰台を獲得した冨林選手。3番手には同レース2位のcorgi選手が付いた。
決勝レースは10周。予選でアウディR8LMSを使った宮園選手はスバルWRX STI GR.3に、冨林選手&Corgi選手はメルセデスAMG GT3を選択。その後方でポルシェのスペシャリスト菅原選手が911RSRで控える。

そしてレーススタート。まず冨林選手がパワーを活かしトップに。宮園選手はAMGと比べてコーナリングスピードに優れるのでコーナーで食らいつく。このレースもスリップストリームの効果が「強」となっているのでスプーン以降のバックストレートでオーバーテイク祭りとなった。レースの折返しとなる5周目に突入する前に上位は一斉にピットインしタイヤ交換を行った。そんな中でGSN選手とホンダ選手の2台はコースに留まり1位、2位となったが、6周目の前にピットイン。後半戦となる7周目に突入した際の順位は宮園選手、corgi選手、菅原選手、冨林選手、おーた選手、shines選手、GSN選手そしてホンダ選手の順となった。

スリップストリームが強く効くことでトップが独走状態に持ち込めず最後の最後まで順位が予想つかない状況で周回を重ねていき、そしていよいよ泣いても笑ってもファイナルラップに突入した。

トップはポルシェの菅原選手、続くのはAMG冨林選手、スバル宮園選手。後方2台とも勝負所であるバックストレートでスリップストリームを利用した勝負に出た。

ここで冨林選手がストレート中盤でトップに、宮園選手もそれに続こうとするが菅原選手にラインを塞がれてしまいチャンスを失ってしまった。菅原選手は宮園選手を気にしながら冨林選手に追い付こうとしたがわずかに届かず。

優勝した冨林選手には賞金50万円、2位菅原選手には20万円、3位宮園選手には10万円が贈られた。更に冨林選手には協賛企業のTOYOTIRE株式会社からタイヤがプレゼントされた。

今年の締めに相応しいプロフェッショナルなレースだったROOTS JAPAN CUP FINAL 2019/ROOTS SAMURAI X CUP 2019。

2020シーズンについてはまた新たな挑戦も考えており、公式ページ・SNSで情報公開いたします



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